サプリメントの摂りすぎに注意!

よく患者様とお話ししていると、

「健康のためにサプリを飲んでいます」

「ビタミンは多めに摂った方が安心ですよね?」

「水溶性ビタミンなら尿で出るから大丈夫ですよね?」

という声を聞くことがあります。

もちろん、不足している栄養素を補う目的で、サプリメントが役立つことはあります。

でも、ここで大切なのは、サプリメントはあくまで食事を補うものだということです。

本来、栄養はまず食事から摂るのが基本です。

ところが実際には、普段の食事でどれくらい栄養を摂れているかを確認しないまま、サプリだけで栄養を足そうとしている方が少なくありません。

これでは、不足を補っているつもりが、実は過剰になっていることもあります。

厚生労働省の日本人の食事摂取基準は、摂取不足を防ぐだけでなく、過剰摂取による健康障害を防ぐ目的も含めて作られています。

つまり栄養は、

「多ければ多いほど良い」

というものではありません。

必要な量を、必要な範囲で摂ることが大切です。

特にビタミンについては、

水溶性ビタミン
脂溶性ビタミン

この2つの違いを知っておく必要があります。

水溶性ビタミンは、ビタミンB群やビタミンCなどです。

水に溶けやすく、体内に長く蓄積されにくいため、余った分は尿として排出されやすい性質があります。

一方で、脂溶性ビタミンは、ビタミンA、D、E、Kです。

こちらは脂に溶ける性質があり、肝臓や脂肪組織などに蓄積されやすいため、過剰摂取には特に注意が必要です。

ここで誤解してはいけないのは、

「水溶性ならいくら摂っても問題ない」

というわけではないということです。

たとえばビタミンC。

ビタミンCは大切な栄養素ですが、厚生労働省が公表している日本人の食事摂取基準では、成人の推奨量は1日100mgとされています。

この100mgという量は、意外と簡単に食事でも摂れます。

目安としては、

❶ 赤ピーマン 約2分の1個(約60g)
❷ ブロッコリー 約4分の3株(約70g、ゆで)
❸ キウイフルーツ 約1.5個(約140g)
❹ いちご 約7〜8粒(約160g) 

このくらいです。

もちろんその他にもビタミンCが豊富な食材は山ほどあります!

こうして見ると、普段の食事の中でもビタミンCを十分摂れていると思いませんか?

もちろん、ビタミンCは水溶性なので、余分な分は尿として排出されやすい性質があります。

ただし、厚生労働省eJIMの資料でも、1,000mg を超える摂取では吸収率が下がり、未代謝のアスコルビン酸は尿中に排泄されると説明されています。

つまり、たくさん摂ったからといって、その分だけ体に吸収されて働くわけではありません。

さらに、サプリメントで1,000mg、2,000mgという量を一度に摂ると、人によってはお腹がゆるくなったり、吐き気が出たりすることがあります。

マウスの実験で1日5,000㎎を与え続けたら「発ガン」したというデータもあります。

「水溶性だから大丈夫」

と考えすぎるのも注意が必要です。

そして、特に注意したいのが脂溶性ビタミンです。

ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンは、体内に蓄積されやすい性質があります。

特にビタミンAやビタミンDは、サプリメントなどで過剰に長期間摂り続けると危険です。

ビタミンAは過剰になると、頭痛、吐き気、めまい、皮膚の異常、肝機能への影響などが起こる可能性があります。

ビタミンDも大切な栄養素ですが、過剰に摂ると血液中のカルシウム濃度が高くなり、吐き気、食欲不振、脱力感、腎臓への負担などにつながることがあります。

もちろん、これはビタミンAやDが悪いという意味ではありません。

大切なのは、必要量を超えて摂りすぎないことです。

問題になりやすいのは、食事から摂っている分を計算に入れていないことです。

普段の食事である程度摂れているにもかかわらずサプリやマルチビタミン、健康食品、プロテインを多量に摂取する。

こうなると、本人は「少し補っているだけ」のつもりでも、実際にはかなり多くなっていることがあります。

本来サプリメントは、健康補助食品です。

食事の代わりではありません。

正しいサプリメントの考え方は、まず自分の食事を知ることです。

最低でも1週間くらい、何を食べているかを書き出してみる。

そのうえで、必要なら管理栄養士など専門家に見てもらい、何が十分で、何がどれくらい不足しているのかを確認する。

その結果として、不足している分だけサプリで補う。

これが本来の使い方だと思います。

食事を見直さずにサプリを増やすのは、体調改善というより、ただ足し算をしているだけになりやすいです。

特に注意したいのは、

❶ 食事内容を見ずにサプリを増やす
❷ マルチビタミンと単体サプリを重ねる
❸ 脂溶性ビタミンを多量に摂取する
❹ 「多いほど健康になる」と思い込む
❺ 体調不良が出ても飲み続ける

などです。

体に必要なのは、過剰な栄養ではありません。

必要な栄養を、必要な量だけ、バランスよく摂ることです。

サプリメントを飲む前に、まず食事を見直す。

足りないものを知ってから補う。

それが、体に負担をかけない本当の健康管理です。

健康のために飲んでいるものが、知らないうちに体の負担になっていないか?

一度、見直してみましょう!

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