最近は、暗闇ボクシングやキックボクシング系のエクササイズがかなり人気ですよね!
昔のボクシングジムというと、男性が黙々と鍛える場所というイメージが強かったかもしれません。
でも今は、音楽が流れる暗闇のスタジオで、女性が思いきりパンチやキックを打って汗を流す。
女優さんやモデルさんがキックボクシングを取り入れている話もよく聞きますし、格闘技系エクササイズの雰囲気は、昔とはかなり変わってきました。
では、なぜサンドバッグを叩くとスッキリするのでしょうか?

脳と体の仕組みでロジカルに説明すると、
ストレスで体の中に残った「闘争・逃走反応」を、安全な形で外に出していると考えるとわかりやすいです。
ストレスを感じた時、脳は危険を察知します。
すると体は、戦うか、逃げるかの準備に入ります。
心拍が上がる。 呼吸が浅くなる。 肩や首に力が入る。 歯を食いしばる。 手足に力が入りやすくなる。
本来これは、身を守るために必要な反応です。
ただ、現代のストレスは少し厄介で
上司への不満。 人間関係の我慢。 家族の問題。 将来への不安。 言いたいことを飲み込む毎日。
こうしたストレスでは、体は戦闘モードになっているのに、実際に戦うことも逃げることもできません。
アクセルを踏んでいるのに、車を走らせず、ブレーキだけ踏み続けているような状態です。
これでは、首や肩がガチガチになったり、胸が苦しくなったり、イライラが抜けなくなるのも無理はありません。
そこでサンドバッグを叩くことで
パンチを打つ。 体幹を使う。 足で踏ん張る。 息を吐く。 リズムよく動く。
この動きによって、体に残っていた戦闘モードのエネルギーを、安全に使うことができます。
皿をバリバリ割ってストレス発散するサービスがありますよね!
あれも考え方としては同じです。
普段なら絶対にやってはいけない破壊的な行動を、安全な場所とルールの中で行うことで、抑え込んでいた感情や緊張を外に出しているわけです。
ただし、ここで大事な注意点があります。
怒りを思い出しながら、 「あいつめ」 「許せない」
と感情を燃やし続けて叩くと、逆に脳の興奮が強くなることがあります。
それは発散というより、怒りの再生です。
サンドバッグは、怒りの相手ではありません。
脳と体に残った余分な力を抜くための道具です。
良い使い方ができている時は、終わった後に
呼吸が少し深くなる。 肩の力が抜ける。 頭が静かになる。 体が温まる。 気持ちが落ち着く。
こういう感覚が出やすくなります。
逆に、終わった後も怒りが強いまま、呼吸が荒く、体がこわばっているなら、少しやり方を見直した方がいいかもしれません。
ストレス解消で大切なのは、強く叩くことではありません。
脳と神経に、 「もう戦闘モードを続けなくても大丈夫ですよ」 と教えてあげることです。
体を動かす。 息を吐く。 リズムに乗る。 安全な場所でエネルギーを使い切る。
サンドバッグを叩くことは、
やり方さえ間違えなければ、
ストレスで高ぶった脳と体を整える、とても良いセルフケアになります。
ストレスは、我慢して消えるものではありません。
大事なのは、怒りを大きくすることではなく、体に残った緊張を抜くこと。
終わった後に、少し呼吸が楽になる。
それが、良いストレス解消のサインです。