活性酸素なんて健康にとって百害あって一利なしなんでしょ?
だから抗酸化サプリメントをガンガン飲んで体の中からきれいさっぱり排除したい!
もしかしたら、あなたもそう思ってませんでしたか?
でも実はそれ、大間違いなんです!
逆に運動の効果を弱めてしまう可能性があるんです!
活性酸素というと、細胞を傷つけ、老化を進める悪者というイメージがあるかもしれません。
確かに増えすぎれば、酸化ストレスを引き起こす原因になります。
しかし、活性酸素はすべてが有害なわけではありません。
少量の活性酸素は、体に変化を知らせる大切な合図としても働いています。
例えば運動をすると、筋肉の中で活性酸素が一時的に増えます。
そうすると体は、
「この刺激に負けないように、守る力を強くしよう」
と反応します。
その結果、SODやカタラーゼなど、活性酸素を処理する抗酸化酵素の働きが高まっていくんです。
いわば、少しの活性酸素が、体内の消防隊を訓練しているようなものです。
ところが、高用量の抗酸化サプリメントで、この刺激を最初から強く消してしまったらどうなるでしょうか?
体が「防御力を高める必要はない」と判断し、運動による適応が十分に起こらない可能性があります。
医学誌『PNAS』に掲載されたヒト研究では、
運動とともにビタミンCとビタミンEを高用量で摂取したグループで、
インスリン感受性の改善や、体内で抗酸化酵素を増やす反応が抑えられました。
つまり、
「抗酸化成分をたくさん取れば取るほど健康になる」
とは限らないということです。
ただし、野菜や果物まで控える必要はありません。
食品にはビタミンだけでなく、食物繊維、ミネラル、ポリフェノールなど、さまざまな成分が適量ずつ含まれています。
問題になるのは、特定の抗酸化成分をサプリメントで高用量に取り、活性酸素を必要以上に消そうとすることなんです。
活性酸素は、完全になくすべき悪者ではありません。
増えすぎれば細胞を傷つけますが、適量であれば、免疫や細胞の情報伝達、運動への適応にも必要になります。
大切なのは「活性酸素をゼロにすること」ではなく、発生する量と処理する力のバランスを整えること。
適度に運動し、十分に眠り、野菜や魚、豆類などを食事から取る。
特別なサプリメントに頼る前に、体が本来持っている抗酸化システムを育てる。
一見遠回りに見えるこの方法が、活性酸素とうまく付き合うための近道なのかもしれません。
