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酒を飲むとストレス解消どころか疲労物質が返って溜まるワケとは?

 
酒を飲むとストレス解消どころか疲労物質が返って溜まるワケとは?
 
「仕事終わりの一杯がないと、やってらんないよ!」
「酒を飲むと、嫌なことを忘れられるんだよねー」
「寝る前に飲むと、よく眠れるんだよな~」
 
おそらくあなたもこんなこと思ったことありますよね?
 
たしかに、お酒を飲んだ直後はリラックスできるように感じます。
 
体の力が抜けたように感じたり、頭の中のモヤモヤが少し遠のいたように感じることもありますよね?
 
でも、ここで大切なのは、これは本当に疲労が取れているのか、それとも一時的に感じにくくなっているだけなのか、という視点です。
 
結論から言うと、お酒はストレスを消しているというより、脳の感覚を一時的にぼかしているだけのことが多いんです。
 
 
米国のNIAAA、つまり米国立アルコール乱用・アルコール依存症研究所も、
 
アルコールは脳の情報伝達に影響し、気分や判断、体の動きに変化を起こすと説明しています。
 
つまり、お酒でスッキリしたように感じるのは、疲労そのものが消えたからではなく、脳の処理が鈍くなっている状態とも考えられるわけです。
 
たとえるなら、部屋が散らかっているのに、電気を消して見えなくしているようなもの。
 
散らかった部屋が片づいたわけではありません。
 
見えにくくなっただけなんですよね。
 
さらに問題は、ここからです。
 
アルコールは体の中で分解されるとき、アセトアルデヒドという物質を経由します。
 
この過程で体には酸化ストレスがかかりやすくなることが、医学レビューでも報告されています。
 
酸化ストレスとは、簡単に言えば、体の中で細胞や血管に負担をかける「サビ」のような反応です。
 
もちろん、少量のお酒ですぐに体が壊れるという話ではありません。
 
ただ、疲れている日に毎晩のように飲むと、回復に使いたいはずのエネルギーが、アルコールの分解に回されてしまう可能性があります。
 
その結果、寝たはずなのに朝からだるい。
体が重い。
頭がぼんやりする。
首や肩がこわばる。
 
こういう状態が起こりやすくなるんです。
 
「お酒を飲むと眠れる」という感覚にも注意が必要です。
 
アルコールには一時的に眠気を誘う作用があります。
 
だから、寝つきが良くなったように感じる方は多いと思います。
 
でも、睡眠に関する研究では、アルコールは夜の後半の睡眠を乱しやすく、レム睡眠を抑えたり、眠りを浅くしたりすることが報告されています。
 
つまり、寝つきはよくても、回復の質が落ちることがあるということです。
 
これはかなり重要ではないでしょうか?
 
本来、睡眠は脳と体の修復時間です。
 
日中にたまった疲労、ストレス、神経の興奮、筋肉の緊張を下げていく大切な時間でもあります。
 
ところが、お酒を飲んで眠ると、体は寝ている間もアルコールの分解に追われます。
 
脳も深く休みきれず、自律神経も落ち着きにくくなることがあります。
 
これでは、スマホを充電しているつもりなのに、裏で重たいアプリが動き続けているようなものです。
 
朝になってもバッテリーが十分に戻らない。
 
これが「寝たのに疲れが取れない」状態につながるという見方もできます。
 
さらに、お酒はストレスホルモンとも関係しています。
 
ストレス反応に関わるコルチゾールというホルモンは、本来、体を危険に対応させるために必要な働きをします。
 
ただ、アルコールはこのストレス反応の仕組みに影響することが、複数の研究で示されています。
 
飲んだ瞬間はリラックスしたように感じても、体の内側ではストレス処理のシステムが揺さぶられている可能性があるんです。
 
だから、お酒でストレスを消そうとする習慣が続くと、脳と神経が休まるどころか、かえって興奮が抜けにくくなることがあります。
 
「飲まないと落ち着かない」
「飲んだ翌日の方が不安になる」
「朝から体が重い」
 
こういう状態があるなら、意思が弱いからではありません。
 
体と神経が、回復しにくいリズムに入っているサインかもしれないということです。
 
ここで誤解してほしくないのは、私はお酒を完全に悪者にしたいわけではありません。
 
人との会話を楽しむお酒。
特別な日に味わう一杯。
 
そういう時間まで否定する必要はないと考えています。
 
ただし、疲労回復やストレス解消の主役をお酒に任せてしまうと、体はだんだん苦しくなりやすいんです。
 
本当にストレスを抜きたいなら、脳と体が安心できる方向に戻してあげることが大切です。
 
たとえば、帰宅後にまず水を飲む。
 
熱すぎないお風呂に入る。
 
スマホを見ながら飲む時間を、少しだけ深呼吸や軽いストレッチに変える。
 
寝る直前の一杯を、温かいお茶や白湯に置き換える日を作ってみる。
 
このくらいの小さな調整でも、翌朝の体の軽さが変わる方は少なくありません。
 
お酒でストレスを消しているつもりが、実は疲労を感じにくくしているだけだった。
 
さらに、睡眠の質を下げ、酸化ストレスを増やし、回復の邪魔をしていた。
 
そう考えると、見直すべきなのは「飲むか飲まないか」だけではなく、お酒に何を求めているのかではないでしょうか?
 
疲れた体に必要なのは、感覚を麻痺させることではありません。
 
脳と神経が安心して休める環境を作ることです。
 
今日の一杯を責める必要はありません。
 
ただ、明日の自分の体を少し楽にしたいなら、飲む量、飲む時間、飲まない日を一度見直してみてもいいかもしれません。
 
ストレス解消は、お酒でごまかすものではなく、脳と体を回復しやすい状態へ戻していくこと。
 
その視点を持てるだけでも、体の整え方はかなり変わっていくはずです。